世の中には不思議な話もありますが、そうした不思議な出来事で、悩む人々もずいぶんいます。

 松本市島立荒井に住むある女性は、不思議な体験をしました。
 半年ほど前のある夜、床に入り眠りに入ったか・・・・と思ったころ、電話の鳴るような音にふと気が付いたといいます。それが夢の中か、正気のなかなのか、その時はわからなかったといいますが、それから後に起こる出来事で、あれは正気のなかでのことだったと確信したといいます。

 電話の鳴るような音にふと気が付いたら、「はーい」と返事をする女性のような声がしました。変だなと思い、目をあけると、天井に黒く丸いような物体がふわふわ浮いていました。恐くてとても目を開けられず、その夜はおわりました。
 それっきり、しばらくはそんな現象は起こらなかったのですが、2ヶ月ほどしたある夜、再び同じような経験をしました。
 そのときは、何だかわからない物体が自分の上にのしかかり、頭を撫ぜながら「火の用心、火の用心」といいました。それは、たしか女性の声でした。そして、その物体はわたしの体の中に入り込んでしまいました。
 次の夜、わたしは身近な人たちにこのことを打ち明けました。
 ところが、この夜からです。毎日のように、わたしの中に入り込んだ何者かに悩まされるようになったのは。それからは、黒いふわふわした物体はいなくなりましたが、それは自分の中に入ってしまったからだと思います。
 そんな現象は、自分の部屋で床に入るときだけではなくなりました。風呂に入っていた自分は、お湯の中に沈められて、溺れそうになったこともありました。
 仕事をしていても、体の中にいる何者かは、体のどこかをさまよっていました。

 ふだんから霊とか信じる方ではなかったのですが、とてもつらくなって、厄払いによい人をあちこち訪ねました。
 原因がわからないので、完全には直らないかもしれない・・・・といわれましたが、とりあえず、ある寺で除霊してもらいました。しかし、聞くところによると、こういった例は寺ではだめかもしれないといわれました。結局除霊してもらって少しはよくなったものの、また、悩み始めたわたしは、岡谷のある除霊専門の女性を訪ねました。
 やはり、原因がわからないと・・・・といわれましたが、現在はそこでもらった御札の力で症状は軽くなりました。しかし、いまだに自分の体の中に何者かがいる・・・・という実感はぬぐわれていません。
 さて、今でもこうした悩みを持つ人は多く、時にはそうした人々を助ける除霊者や祈とう師が、人知れず存在しています。
民俗の調査の中でも、こうした不思議な話をよく聞くわけですが、松本という地の利がないわたしにとって、こうした話に詳しいだろうと、民俗の仲間に、「だれかよい人は知りませんか・・・・」と聞きもしました。そんな不思議な話をするなかで、福澤昭司氏は、次のような不思議な話を聞いたと、メールを送ってくれました。
 学生時代、彼は善光寺の裏の西北(池の北)に下宿していて、ある朝窓の外をぞろぞろ人が通る気配がしたかと思っていると、そのうちの一人が窓の隙間からスウッと入ってきて部屋の天井をグルグルと周り寝ている自分の背後から、押さえつけてきたというのです。これはやばいと思ってふりはらうと、消えてしまったそうです。彼がいうには、どうもこの家の二階が霊の道路になっていたのではないかというのです。この話は、長野市誌に善光寺について、その西側の霊的優位を深層意識の問題として書いたこととあまりに合致するので、驚いているのです。
というものでした。この『長野市誌』は、まだ刊行されていませんが、善光寺をとりまく世界観のようなものがとりあげられていそうで、刊行が待たれます。
 それはともかく、こうした不思議な話は、学校の怪談のように、噂話の伝承とことなり、かなり現実味のあるものです。

 同じような話を体験した人、あるいは聞いたことのある人は、ぜひ情報をいただければと思います。


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